老人と森丘

ゲームソフト『モンスターハンター』シリーズのプレイ記録、及び雑記です。

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銃槍記・『砕けぬ盾』より

ラームです(ぺこり)

今回は銃槍記から一文をお送りします。

始祖『アイアンガンランス』から生まれ、派生していく銃槍たち。
しかし第一次発展期に姿を表した銃槍の中には、その系譜に連ならないものも存在していました。

これら亜流の銃槍たちの性能はしかし、決して始祖からの直系に劣るものではありませんでした。
むしろ使い手や狩猟によってはその抜群の個性が輝き、高い評価を得る場合もあったのです。




銃槍が第一次発展期を迎えていたその頃、
他の武器種においても新たに発見された素材を用いた武具の開発が進んでいた。

“盾蟹”ダイミョウザザミの素材を用いた骨系ランス、『ボーンクロウランス』もその時期に生み出された武器の一つである。
しかしこのランスは盾の性能こそ申し分なかったものの“切れ味”が非常に悪く、
堅牢な盾蟹の素材を苦労して加工するだけの価値があるか疑問が残る代物であった。
やや遅れてより武器に適した“鎌蟹”ショウグンギザミの素材が登場した事もあり、
このランスを作り上げた工房はボーンクロウランス作製のノウハウのみを受け継ぎ、
素材を全面的に鎌蟹のものに差し替えた『ブレイドスティンガー』の開発を決める。

ところが、これに納得しない一人の老職人がいた。
彼は盾蟹素材の限界を見極めないうちに新素材に可能性を求める姿勢に異を唱えたが、相手にする者は少なかった。

より新しい素材を。より新しい武具を。
それは当時の工房、狩人に共通する風潮であったかもしれない。

老職人は弟子と二人きりでボーンクロウランスの改良に取りかかり、
僅かな期間で打撃力と“切れ味”を大きく上昇させた『ボーンクロウランス改』を完成させる。
しかし、多くの人員と資金を投入したブレイドスティンガーがほぼ同時期に完成。
打撃力も“切れ味”もブレイドスティンガーがボーンクロウランス改を上回った事もあり、
ボーンクロウランス改は完全に日陰者になってしまった。

信念を賭けた渾身の作がほぼ無視される形になり、意気消沈する老職人。
もはや時分の時代は去ったのだと引退しようとする彼を、弟子が引き止めた。


「鎌蟹槍の性能が優れているのは確かではあるが、盾蟹の素材を使ってしかできない強化もあるはず。
 そしてそれを為し得るのは、今まで盾蟹素材と正面から向き合ってきた自分たちしかいない」


弟子の叱咤に奮起した老職人は再び活力を取り戻し、盾蟹槍のさらなる可能性について模索を始めた。
やがて彼は盾蟹素材が持つ、ある特徴に着目するようになる。

盾蟹、鎌蟹の素材はどちらも似たような性質であろうと我々素人は考えるのだが、
実はこの二つの素材の性質は思ったよりも異なっている。

硬い岩盤に爪を突き立てたり、切り砕いて潜行する鎌蟹の素材は全般的に非常に堅固、鋭利である。
対して盾蟹の素材も堅固である事には変わりが無いのだが、鎌蟹の甲殻と比較すると適度な柔軟性を持っている。
この適度な柔軟性が外部からの衝撃を分散し、ただ堅いだけの素材には無い高い耐衝撃性能を発揮するのだ。
故に盾蟹素材を用いられて作製される防具は非常に信頼性が高く、愛用している狩人も多い。

鎌蟹素材には無い、この耐衝撃性能の高さを活かす方法は無いか。
老職人と弟子は思案し、そして最終的にある一つの案を導き出す。
それは、何とボーンクロウランス改を当時最新鋭の狩猟武器である銃槍に改造するというものであった。

耐火性に難のある盾蟹の素材で銃槍を作る。
無謀な試みであるようにも思われたが、老職人と弟子は自分たちの誇りを賭けて製作に取りかかった。


まずボーンクロウランスでは甲殻を分割加工して刀身としていたが、この方法を廃止。
盾蟹素材群の中では最も耐火性に優れ、また元来鋭さを持っている脚爪を加工して外装兼撃針として配する。
これには脚爪が持つ“しなり”を活かして目標の甲殻の隙間に切先を滑り込ませて打撃を与えるという狙いもあり、
素材の特性、及び攻撃方法故に“切れ味”の低下は鉄などを用いた通常の銃剣の半分以下に抑えられると予想された。

砲撃機構は既製品のものを参考にしながらも独自に設計したものを搭載。
撃針に及ぼす影響を可能な限り軽減するために通常型砲撃を採用し、
一方では大胆な事に火力の制御を行なうためのリミッターを採用せず、砲撃の火力そのものは高めた。
当時の技術ではリミッター無しの銃槍は砲撃時の振動や衝撃が大きくなりすぎ、
使用者には多大な負担をかけるおそれがあるとされていたのだが、ここに盾蟹素材の特性が活かされる。

最上級の素材であるカブレライト鋼を用いた頑強な砲身は内部の爆発に十分耐え得る強度を持ち、
そして耐衝撃性に優れた盾蟹の外装材がさらに衝撃を分散・緩和する。
結果、下手にリミッターを採用している物よりも運用性に優れた銃槍『シザーガンランス』がここに完成したのであった。

砕けぬ盾

老職人と弟子が考え抜いて作り上げた性能のバランスは第一次発展期においても群を抜いており、
強化モデルである『シザーキャノン』に至ってはこれに匹敵する“切れ味”を持つ銃槍は第一次発展期においては唯一、
かのガンチャリオットのみである。
また盾蟹由来の盾もその素材特性から非常に高性能であり、
堅牢さではこれも最高峰のブラックゴアキャノンの盾を上回る防御性能を手に入れている。

基本攻撃力ではさすがに最高峰の銃槍二種にやや譲るものの、
比較的容易に入手可能な盾蟹の素材を用いている事、
また非常に安定性に優れた性能を持っている事から銃槍使用者の間での人気は高く、
“上位”クラスに登場する銃槍の中では最も早く、そして広く使われる事になった名機であった。

失敗作の烙印を押された盾蟹槍は、しかしその素材特性を理解する者の手によって名機へと生まれ変わったのである。

なお、この銃槍の登場が正式系銃槍をはじめとする高級素材志向に偏り始めていた銃槍開発に確かな一石を投じた事も、
後に続く銃槍開発において大きな意味を持った事も併せて記しておく。
アイアンガンランスの直系でないこの銃槍こそ、あるいは銃槍の真の中興の祖であるのかもしれない。


余談ではあるが老職人とその弟子はその後も盾蟹素材の研究を続け、
シザーガンランスの作成時に得た技術を活かして紫色の盾蟹槍を作り上げた。
その槍は対抗馬である朱色の鎌蟹槍に切れ味では劣るものの攻撃力は上回り、さらに脅威的な防御性能を有している。
盾蟹槍は、もはや鎌蟹槍の下位モデルではない。
本来の場においても、彼らは盾蟹素材の性能を証明してみせたのだ。

『堅槍ダイザザミ』実に、誇りに満ちた名である。


(銃槍記・『砕けぬ盾』より抜粋)



実は上位に上がってからしばらく、この銃槍の存在に気がついていませんでした。
ガンチャリオットやブラックゴアキャノンはまだまだ遠く、近衛隊正式銃槍が上位でもメインの有様。
(近衛隊正式銃槍も十分な性能を持ってはいましたが)
そこに登場したのがこのシザー系で、抜群の切れ味と個人的に最も扱いやすい通常型砲撃で一気に主力銃槍に。
その後ガンチャリオット、ブラックゴアキャノンも手に入れたのですが、
やはり放射型はちょっと……という事で少なからず用いる事がありましたね。
本文で記した通り、非常に扱いやすい銃槍でありました。

改めて思い返すに、実はdosにおいて一番思い入れのある銃槍かもしれません(笑)


何だかすごく長くなってしまいました(汗)それでは今回はこの辺りで。
ここまでお読み頂いた皆様、お疲れ様でした。
宜しければまた次回もお付き合い頂ければ幸いです(ぺこり)

本日もどうぞ、良い狩りを!
  1. 2008/06/27(金) 14:44:20|
  2. 銃槍記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

私はドス時代から、カニ系の装備はあんまり所持していませんでした。素材はほぼ防具と成しており、カニ系の武器は自分内での存在が希薄となってしまっていました。でも、公式攻略本などを見てかなりの高スペックを持ち合わせていることを知り、いずれ作ってみよう・・・と心に留めてはいたのですが、結局忘れてしまうんです。
 よくよく見ると、盾蟹系の武器には奇抜なデザインのものが多いのですが、ガンスの場合・・・硬派な様相を成していますよね。(さすがにハサミをそのままってのは無理があったのでしょうかw)
 
  1. 2008/06/27(金) 18:03:11 |
  2. URL |
  3. Gou #-
  4. [ 編集]

蟹蟹どこ蟹?>Gouさん

Gouさん、いらっしゃいませ^^

なるほど……やはり盾蟹のイメージからでしょうか、
盾蟹の素材は武器ではなく防具、というのは分かるような気が致します。
ザザミ系防具はなかなか素敵な性能と外見ですし。(男性用の頭はアレですが)
自分の場合はバスタークラブ系、今回のシザーガンランス系と武器の方でも非常にお世話になりました。

盾蟹系の武具は概ね非常に安定した性能を持っているのですが、
尖った所が無いちょっと地味な(笑)外見と性能ですので、
他の武器を作るのに奔走している間に忘れてしまうという事もありそうですねw

シザーガンランスのデザインはガチです(笑)
どこかバスタークラブに通じるストイックさを持ったフレーム、非常に好みです。
(唯一、機体色がおめでたい紅白の配色であるのだけが少々趣味から外れますが)
ハサミはそのまま盾にしてくれても……と思いますが、背甲?を使ってあるのでしょうか。
火に非常に弱い部分なので、ちょっと使えなかったんでしょうね。

今回もコメントを頂きまして、ありがとうございました(ぺこり)
またいつでもお越しくださいませ。そしてどうぞ、良い狩りを!
  1. 2008/06/28(土) 10:20:16 |
  2. URL |
  3. ラーム #UzUN//t6
  4. [ 編集]

銃槍記楽しみにさせていただいてます。
他の記事も拝読させていただいていますが
やはりこの連載には惹かれる物があります。
今回は盾蟹系ですね。
以前お話させていただいたので、非常にうれしいです。
やはり本流とは違う開発系統のほうがしっくり来ますね。
ラーム様の想像力には脱帽です。
おそらくいろんな工房でこのようなやり取りがあって、現在の様々な武器種があるのでしょうね。
  1. 2008/06/30(月) 09:33:54 |
  2. URL |
  3. moto #-
  4. [ 編集]

物語が紡ぐ物語>motoさん

motoさん、いらっしゃいませ^^

銃槍記を楽しみにして頂き、有難く思います。
ご要望がありましたのでまず盾蟹系から記してみました(笑)

武器の一つ一つにこういった誕生の物語があると考えると、本当に面白いですね。
それぞれの武器を持つ時の心構えも自然と違ってくるような気がしてきます。
ハンターナイフからバランスブレイカーと呼ばれるような強力な武器まで、
それが作られるまでには職人達の苦悩や努力が少なからずあったはずです。
むしろ我々ハンターから見れば何でもない性能の武器に、凄まじい物語が込められた武器もあるでしょう。

そういった武器たちがハンターの手に渡り、新たな物語を紡いでいく。
うん……浪漫です(笑)

今後もそういう浪漫の一端を記せていければ、と思います。

今回もコメントを頂きありがとうございました(ぺこり)
またいつでもお越しくださいませ。そしてどうぞ、良い狩りを!
  1. 2008/07/01(火) 09:12:25 |
  2. URL |
  3. ラーム #UzUN//t6
  4. [ 編集]

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